相続した実家の処分 専門家に相談することで、やるべきことが明確になった
2023/3/29
もくじ
この相続事例の体験者
添田 宏一(仮名)
千葉県在住。63歳。
母が亡くなり実家を相続。処分するまでの流れや管理方法などを指南してもらうため相続不動産や空き家管理に詳しい専門家に相談。いろいろ調べてもらったら、やるべきことが山積みであることが判明して頭を抱えることに。
実家を相続したあと、処分するまでの段取りがわからない
2020年夏、89歳の母が末期の肺がんと診断され、余命を宣告されました。母と話し合った結果大きな治療はせず、ホスピスで余生を過ごすことに。入所して1ヶ月が経ち、住む人のいなくなった実家を見て私が思ったのは「母が死んだら、この家どうしよう」ということでした。親がまだ生きているのに実家の心配をするなんて非情と思われるかもしれませんが、私の場合は余命がわかっているからこそ、相続について意識が向くようになったのです。
母が亡くなれば、私を含めた3人の兄妹でこの実家を相続することになります。しかし私も妹弟も他所に所帯を持っており、実家に戻る予定はありません。そうなると売却するしかありませんが、家財が大量に残っているのでその処分も思いやられます。何よりまだ存命であることから、いまは空き家として近隣に迷惑をかけないよう管理しなくてはいけません。「全部やるしかない」と覚悟を決める一方で、どのような流れで処分を進めれば良いのかを誰かに相談したい気持ちが強まっていったのです。
空き家の管理に詳しい専門家に相談したら、自分が何をすべきかわかった
誰に聞けば良いだろうと考えながら実家に行くと、郵便ポストに市報が入っていました。何となくページをめくっていたら、そこには「空き家と相続の無料相談会」のお知らせが。まさに求めていた内容だったので、早速その相談会を訪ねました。
「実家を相続したあと、処分したいと思っている。そのために何をすれば良いのか」と問う私に、「近隣に迷惑をかけないよう、売却するまで適切な管理が必要」「売却に向けて、不動産会社に依頼して建物の状態や接道状況などを確認してもらう」「家財の整理や処分を担う業者に見積もりを取る」など、確認すべきことや行動すべきことを示してくれたのです。
おかげで私は今後の道筋がたてられて不安が軽くなり、動き出そうと思えるようになりました。
実家処分に向けて、いまできることから行動し始めた
相談会後、まず取り掛かったのは電気会社への連絡です。相談会で「通風などで中に入って管理するために電気を通したままにする人が多いけれど、漏電など事故の可能性があるから気をつけたほうが良い」とアドバイスされたので、契約解除することにしました。万が一、漏電して火事が起きたら近隣の方に迷惑をかけてしまいますからね。また台風などの強風で飛んでいかないよう、庭にたくさんあった植木鉢を弟と協力して処分しました。
そして、そうこうしているうちに母が永眠しました。
教えてもらった通りに行動して、最後は無事売却
葬儀後、相続手続きを終え、実家の処分に向けて動き出しました。不動産会社に物件についての調査を依頼し、同時に複数の業者に解体や家財整理の見積もりを取るなど、相談会で教えてもらった通りに行動。数ヶ月後、無事に売却することができました。
専門家に相談することで、自分が何をすべきかを知ることができて行動に移せましたし、何より安心して実家の処分と向き合えました。悩む前に相談できて良かったと思っています。
担当した専門家が解説!
「ここがポイント」
今回、相続予定のご実家の処分について「道筋がわからない」と思われたタイミングで、すぐに相談してくださったのが一番のポイントだと思っています。なぜなら、わからないまま放置することで、思わぬトラブルになったり手遅れになってしまうこともあるからです。
例えば家屋は、人が住んでいないと、どんどん劣化していきます。庭がある場合は、樹木の成長にも気を遣わなくてはなりません。樹木が鬱蒼としていると荒れた印象になり、不法侵入されやすくなりますし、近隣の方から苦情が入りかねません。何より活用するにしても売却するにしても、このような状態になってしまっては余計な費用や労力がかかる可能性もあります。
また空き家として管理する際に「電気や水道が使えないと不便だから」と契約解除しないままにしている方が多いですが、その場合はこまめに様子を見に行ったほうが良いでしょう。住んでいないと劣化に気付けず、漏電や配管の破裂などの事故が起きてしまう可能性があります。
解説者プロフィール
株式会社北斗ハウジング
所沢を中心に幅広い不動産サービスを展開。お客様のあらゆるニーズにワンストップでお応えします。売却の難しい不整形地や再建築不可の戸建ての買取りなど、不動産にまつわるあらゆる不安や不満、不便、不実を解消するため、不動産業界の常識に捉われないサービスの提供をおこないます。