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夫との思い出がある家を守りたい!住み続けるために「耐震補強工事」を実施

2024/1/19

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この相続事例の体験者

この相続事例の体験者

松本 清江(仮名)

東京都在住。82歳。
6年前に夫に先立たれて以降、築60年超の酒屋兼自宅で一人で暮らす。自宅の老朽化が著しく不安ではあるものの、思い出の詰まった自宅から離れがたく、このまま自宅を守るため耐震補強工事を実施。

老朽していても思い出が詰まった自宅に住み続けたい!

6年前、夫に先立たれ店舗兼住宅である自宅を相続しました。お店は新婚時代から夫婦2人で力を合わせて営んできた酒屋。1階がお店で2階が自宅という造りの住宅です。私たちには子どもがいないため、今は私が1人で切り盛りをしています。

私も80歳を超えて、足腰もかなり弱ってきて、お店をやるのも大変です。しかし、この家には思い出が詰まっていますし、近所には常連さんもいるので、できるだけお店を開けています。

体力が続く限り続けていきたい想いはあるものの、心配なことがありました。それは、築60年になる家なので、「もし大きな地震がきたら倒壊してしまうのでは」という不安があることでした。そんなときに、区の助成金で耐震補強工事をできると聞いたのです。

耐震補強をすればまだまだお店を続けられます。また、この先、足腰がたたなくなり施設などに入るために売却したい場合は、耐震強度が高い家のほうが売却しやすいはずです。そう思った私は、さっそく工事業者に問い合わせをしました。

住み続けるための耐震補強工事

問い合わせをしたところ、すぐに業者さんが自宅を見に来ました。すると「壁の工事をするので壁際にあるものはすべて撤去してほしい」とのこと。

2階部分は使っていない日用品や夫の遺品もまだある状態で、廊下にも床にも物があふれています。片付けようにも、ここ数年階段の上り下りもつらい状態で思うように動けません。工事の前に片づけが必要なのは考えてみたら当たり前なのですが、補助金で工事ができるということが嬉しくて、そこに気がまわらなかったのです。

どうしようと困った挙句、区役所に相談したところ、家の片付けをしてくれる業者さんを紹介してくれました。

工事をすることでの影響を説明されるも気持ちは変わらず

区役所が紹介してくれた業者さんは、片付けだけでなく実家や自宅のお困りごとを総合的に解決する専門家でした。さっそく相談すると、「耐震補強のことは、どなたかご家族に相談されていますか?」と質問されました。なぜそのようなことを聞くのか、業者さんは丁寧に理由を説明してくれました。

「耐震工事には区からの助成があるものの金銭的な負担が大きいこと」「年齢を鑑みると工事中に私の体調の変化など状況が変わる可能性もあること」「万が一のときは相続する人(私の遠縁の親戚)が工事費用も相続し、さまざまな手続きをしなければならないこと」

「言われてみればその通り」と気付かされたところもありましたが、「それでもこの家を残したい」という思いは変わりませんでした。私の意志を確認した業者さんは「それでは、片付けましょうね」と、作業してくれることになりました。片づけが終わり次第、工事を始めてもらう予定です。

担当した専門家が解説!
「ここがポイント」

自宅に愛着があり、いつまでも住み続けられるようにと、改修工事を実施する人も多くいらっしゃいます。しかし、高齢で一人暮らしをされている方が自宅のリフォームや耐震補強工事を検討しているときは、ご家族に相談することをおすすめしています。なぜなら、工事中に依頼者さまが一人暮らしを継続できなくなる可能性があるからです。

また、万が一お亡くなりになってしまった場合は、工事費用はすべて相続人に承継されます。自宅は財産ですが、このような費用は相続した人にとっては大きな負担になる可能性もあります。本事例でも、ご相談時にこのようなお話をさせていただきましたが、ご相談者様の意志が固かったこともあり、工事のための片付けを実施させていただきました。

なお、高齢になると足腰が弱くなる方が増えます。足元に物が置かれていると、転倒の原因になります。車椅子や歩行器を利用するなら、広いスペースが必要です。工事などの予定が無くても、元気なうちに不用品をなくして、すっきりとした家を維持できるように心掛けましょう。

解説者プロフィール

城間 一弘

解決・空家サポート株式会社

城間 一弘

私たちは東京都西東京市を拠点に、空き家に関連するトータルサポートサービスを提供しております。東京・埼玉・神奈川を中心に、空き家の定期巡回や家財整理、不動産活用コンサルなど、空き家所有者様のお悩みを解決するお手伝いをしています。 これまで多くの空き家にまつわるお悩みを解決してきた経験を活かし、ご相談者様一人ひとりの状況に合った解決方法をご提案いたします。


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